【(出典)バロンズ】ダウ輸送株指数を先行指標とするのは時代遅れ!?

■ 輸送株は下落しているが見通しは決して悪くない

 第3四半期にダウ輸送株指数がダウ工業株30種平均(NYダウ)を10%ポイントもアンダーパフォームしたことで、投資家が懸念がリストに1つ増えた。NYダウが4.32%上昇したのに対し、輸送株指数は6.08%の下落となったのだ。

 昔から、輸送セクターの低迷は悪い兆候と考えられてきた。輸送量の減少は生産・販売される製品の減少を意味し、つまりは経済が減速しており、株式市場が下落する可能性があるということにつながる。しかし、こうした考え方は時代遅れであって、昔流行したベルボトムのズボンと一緒にクローゼットにしまっておいた方がいいかもしれない。ビスポーク・インベストメント・グループは、S&P500指数が輸送株指数を過去50取引日で10%ポイント以上上回った期間について調査している。例えば1928年の場合、この条件に合致する期間に続く6カ月間にS&P500指数は1%の上昇にとどまった。市場全体の平均3.5%上昇よりは下回るが、特にひどい結果ではない。

 1970年代以降、米国はサービス経済への依存がますます高まっている。そこでビスポークは、1970年代以降で輸送株がサービス関連株をアンダーパフォームした期間についても調査した。その結果、S&P500指数は続く6カ月間で6.5%上昇し、市場平均の4%を上回ったことが明らかになった。

 シティグループの米国株式チーフ・ストラテジスト、トビアス・レフコビッチ氏は市場を予測する際に、信用スプレッドと米連邦準備制度理事会(FRB)の貸出調査を参考にしている。今日見られる信用環境の改善から、雇用、設備投資、鉱工業生産、経済成長率は今後9カ月で上昇が見込まれる。レフコビッチ氏は先ごろ、輸送セクターで修正された利益予想の約90%が下方修正で、こうしたマイナスのモメンタムが続く可能性は低いとの判断から、同セクターをオーバーウエートに引き上げた。

 輸送株よりも優れた先行指標となるのがナスダック100指数とS&P100指数だ。第3四半期には、両指数ともカバー範囲がより広範な指数をアウトパフォームしている。ホロー・ブルック・ウエルス・マネジメントの会長兼最高投資責任者であるウェイン・ノードバーグ氏は、FRBが金融緩和に動いたことで、インフレがグロース株を押し上げるとみる。「状況は完全にインフレに向かっており、株式は実物資産である」と同氏は語る。

■ 不調な大学基金

 昨今の投資の世界では、シンプルなほど良い結果が現れている。それを痛感させられたのは先週、ハーバード大学、エール大学、スタンフォード大学といった主な大学基金が発表した2012年6月期の運用結果で、どれも精彩に欠けていた。各基金の運用リターンは、エール大学が4.7%、スタンフォード大学が1.0%、ハーバード大学はマイナス0.1%だった。プリンストン大学の発表はこれからだが、リターンは0~5%の範囲内との予想を示している。

 こうした大手大学基金の運用リターンは、S&P500指数の5.5%はもちろんのこと、米国株式と債券を60対40というシンプルな構成による運用実績の6.7%を下回っている。3週間前の本稿で、主要大学基金の昨年度の運用リターンは海外の株式市場の下落が響き、0~5%にとどまる可能性があると書いた。

 ハーバード大学とエール大学の基金は、米国の株式や債券への投資比率が低く、ヘッジファンドやプライベートエクイティといったオルタナティブ投資への配分を厚くすることでこれまで高いパフォーマンスを上げており、他の大学基金のモデルとされてきた。ここで重要な問題は、世界の株式市場の上昇に伴ってこのモデルが今後も成功し続けるかどうかだ。ハーバード大学の米国株への配分はおよそ12%で、エール大学の場合は米国株への配分がわずか6%であるのに対し、プライベートエクイティには35%を振り向けている。資金力のあるプライベートエクイティビジネスが市場を上回るリターンを生み出し続けることができると見込んだ大学基金にとって、これは大きな賭けである。

 過去10年や20年の実績では、これらの大手基金は60対40の配分やS&P500指数を優に上回るリターンを上げてきた。しかし、これからの10年ははるかに厳しくなると予想される。オルタナティブ投資ははやりではあるが、米国株の運用会社やミューチュアル・ファンドは資金を引き揚げ始めている。スマートマネーの多くは米国株や主に先進国市場に流れている。これは明るい兆候だろう。

 基金による複雑な投資モデルを見直すとしたら、最も成功している投資家が経営し、多額の利益を上げている企業を選ぶことだ。一例はバークシャー・ハサウェイ(BRK/A)で、最高経営責任者(CEO)のウォーレン・バフェット氏は、基金のコンサルタントが高く評価する「アルファ」のリターンを一貫して生み出している。バークシャー株の過去20年間の上昇率は、高実績を誇るエール大学基金の運用リターンをわずかに上回る。

 バークシャーのクラスA株は今年に入って15%上昇しているが、それでも9月30日時点の予想株価純資産倍率は1.2倍で割安感がある。1株当たり営業利益に基づくと、純資産は今年1桁台後半で増加するとみられる。皮肉にも、多くの基金が目標とするリターンとちょうど同じくらいの伸び率だ。

記者: Jacqueline Doherty

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